画像評価装置シリーズが、動画ファイルの評価に対応しました
画像評価装置シリーズが、MXFを始めとした動画ファイルの評価に対応しました。このインターフェースの拡充により、画質評価の適用範囲が大きく拡がります。
これまで、FR(Full Reference)型の画像評価装置は、SDIによるベースバンド信号を測定対象としていましたが、この度、測定対象をMXFフォーマット等の動画ファイルに拡張しました。これにより、SDIの基準信号に対し、MXFファイルを評価信号としたFR評価、といった使用が可能となります。最大で、2160 59.94p フルサンプルの 4K基準画像及び評価画像の時間軸を補正し、画素同士を完全に同期することで、輝度差分値 Y_PSNR、色差差分 Pb/Pr PSNR を測定可能とします。
また、PSNRに加えて、ITU-T J.144国際標準方式による DSCQS(二重刺激連続品質尺度)をフレーム単位で計測します。その評価精度は、ITU-R BT500による主観評価と同等です。さらにPixel error(画素エラー)、Audio SNR、VMAF、SSIMの測定も可能です。
用途
- ベースバンドとファイルを組み合わせた系統を持つエンコーダ評価
- ファイル化装置の評価やトランスコーダ評価
評価対象
《4K》 解像度/フレームレート:3840 x 2160, YC 4:2:2, 10 bit, 59.94p/50p
《2K》 解像度/フレームレート:1920 x 1080, YC 4:2:2, 10 bit, 59.94i/50i 及び59.94p/50p
システム概要
評価結果をPC GUIでわかりやすく表示
二重刺激評価で得られた客観評価値は、人間による主観評価値(QoE)そのものとして使用できるため、以下のようにユーザ品質要求を満足しているか否かをフィールド単位で、精密に判定可能です。放送局などでは、通常、12%以下の劣化度(5段階で4.5以上)であれば、サービス上、問題なしとしています。
DSCQS : Double Stimulus Continuous Quality Scale.(二重刺激連続品質尺度)
入力信号(ファイル)
以下の入力信号に対応します。
対応フォーマット [2K] | 【対応する主な規格】 XDCAM(MPEG HD422 [50Mbps]) 【その他の対応】 《ファイルフォーマット》 MP4, TS, PS, F4V, MXF, MOV 《ビデオコーデック》 MPEG1/2/4, H.264, H.265, MJPG, DNxHD (36/120/145/185/185x/220/220x), ProRes 422 (Proxy/LT/Standard/HQ) 《オーディオコーデック》 PCM, MPEG-1 Layer2(MP2), MPEG-2 AAC-LC, MPEG-4 AAC-LC |
対応フォーマット [4K] | 【対応する主な規格】 XAVC(QFHD Long422 200 [200Mbps]) / XAVC(QFHD Intra Class300 [600Mbps]) 【その他の対応】 《ファイルフォーマット》 MP4, TS, F4V, MXF, MOV 《ビデオコーデック》 DNxHR (LB/SQ/HQ/HQX), ProRes 422 (Proxy/LT/Standard/HQ), H.264, H.265 《オーディオコーデック》 PCM, MPEG-1 Layer2(MP2), MPEG-2 AAC-LC, MPEG-4 AAC-LC |
入力信号(ベースバンド)
以下の入力信号に対応します。
映像信号 <規格> | BNC2系統(12G SDI またはHD-SDI) |
映像信号 <周波数/解像度> | 4K:3840 × 2160 YC 4:2:2, 10bit, 59.94p/50p (12G-SDI) 2K:1920 ×1080 59.94i/50i SMPTE292M/274M |
主な仕様
出力信号 | 映像信号 | 基準画像/評価画像/差分画像モニターアウト及び測定結果、遅延量などのOSD表示 (MONITOR) |
測定 | 画像/音声 | ・基準信号:SDI 評価信号:SDI/FILE PSNR Y/C, DSCQS, 画素エラー, Audio SNR (実時間での標準測定項目) ・基準信号:FILE 評価信号:FILE PSNR Y/C, DSCQS, 画素エラー, Audio SNR (非実時間) VMAF, SSIM (非実時間, On/Off可能) |
遅延補正 | 自動同期/手動同期 | 1080i[HD] -1秒 ~ 30秒(1800 field) 2160p[4K] -1秒 ~ 12秒(720 frame) |