DSCQSとは

"Video DNA"とは、画像のエッセンスを効率的に抽出することを可能とするものです。
あ従来、人間による主観評価実験は、ITU-R(国際電気通信連合)においてDSCQS(二重刺激連続品質尺度評価法)として知られているテスト方法が規格化されています。この方法では、品質を0から100の百分率で表現しており、0%で劣化がなく、値が大きくなるにつれて、品質劣化が大きいことを示します。このDSCQSは品質に関して良い指標を与えてくれますが、専用の評価ルームやモニタ、テスト画像の編集が必要であり、15人以上の評価者を集める必要もあります。そのため、膨大なコストと労力がかかります。

先端技術によるDSCQS値の析出

K-WILLは、人間の視覚特性を考慮した「3階層雑音重み付け」(特許取得)の技術を用い、あらゆる映像素材に対して、DSCQS値によるフレーム単位での正確な品質評価を可能としました(フレームごとに評価値が計算され、ウインドウのグラフに品質レベルに応じて色分け表示されます)。
人間による主観評価が抱える問題(再現性・リアルタイム性がなく、長時間測定が困難等)を解決し、機械による安定した自動測定を実現しています。

3階層雑音重み付け評価

K-WILLでは、DSCQSを求めるために人間の視覚特性を考慮した3階層重み付けアルゴリズムを採用しています。

第一段階

フレームアクティビティを用い、フレーム内にオブジェクトがどれ位混みあって含まれているかを推定し、大局的な雑音感度を決定します。これはオブジェクトがより混みあった画像であればあるほど注視点が散乱し、雑音の感度が低下するという特性を利用しています。

注視点の散乱
画面内のオブジェクトが混みあっているほど、注視点が拡散され、雑音感度が低下します。

第二段階

ブロックアクティビティを用い、特定の注視点領域=8×8小ブロックの雑音マスキング効果の程度を測定し、局所領域の雑音感度を決定します。これは、ブロックアクティビティが低い空や人間の肌といった平坦な絵柄に重畳した雑音は、そのまま目に飛び込んでくるため感度が高い反面、その逆の場合である森・林・観客席といった精細な部分では、雑音がマスクされ感度が低下する特性を利用しています。

込み入った領域で隠れる雑音
平坦な領域では雑音が強く知覚されますが、微細な画像をたくさん含む領域では雑音は見えにくくなります。

第三段階

周波数領域上で、高周波/低周波雑音を分離し、帯域通過型の視覚フィルタを適用します。

空間周波数に応じて変化する雑音感度
高周波をたくさん含むザラザラ雑音より、低周波をたくさん含むモザイク状の雑音の方が目立ちます

主観評価との高い相関

人間がビデオ品質を評価する場合、その実施後の評価結果にはばらつきが生じることとなり、すなわち、主観評価の結果同士の相関は必ずしも1.00ではありません。下記に当社製品による評価結果と、同じ評価者による2回の主観評価結果の比較を示します。3つの評価結果間の相関はほぼ同じであり、主観評価の代替としての当社製品の有用性がお分かりいただけます。