株式会社K-WILLは、テレビ放送局を中心として映像関連計測器の開発・販売を行う専業メーカーとして、1999年の会社創業以来、デジタル圧縮(エンコーダ)で発生する品質劣化を、圧縮前の基準映像と圧縮後の劣化映像を比較することで計測する装置を実用化し、国内テレビ放送局及び北米DirecTVの多くの放送チャネルでご採用頂きました。
今後は、テレビ放送局のみならず、コンテンツ制作会社、ケーブルテレビ局、一般視聴者用STB等、幅広い分野において、映像・音声品質の監視が求められています。その理由は、デジタル特有のノイズは、突然ブロックや乱れ、ブチ音が発生するため、視聴者に強いストレスを与えるためです。これらのノイズを正確に検出できるしくみがあれば、発生場所の特定と修繕及び視聴者への対応と通知が迅速にシステマティックに行えるため、放送サービスの運用効率が大幅に向上できます。株式会社K-WILLでは、以下のコンテンツチェーン全域をカバーする、ノイズ検出用ソフトウェアを開発しました。
本ソフトウェアの核技術とは、多種・多様のコンテンツの中から基準映像等との比較を一切行わずに、人間にとって邪魔となる映像・音声ノイズだけを正確に検出可能とするところにあります。これは、近年実用化されたデジカメ等の顔認識技術以上に実用化が困難な認識技術のひとつでありました。K-WILL創業(1999年)時から、最重要研究テーマとして取り組み、映像・音声ノイズに特徴的なパターンを下図の概念のように正確に検出することで、人間と同等レベルのノイズ検出精度を有する「ノイズ検出アルゴリズム」に到達しました。
このノイズ検出ソフトウェアが対象とする市場は、日欧米のコンテンツチェーンのみならず、中国、インド、韓国、台湾、東南アジア等のアジア諸国におけるデジタルテレビサービスは順次整備されていることから、ワールドワイドの市場がターゲットとなります。製品化としての実装は、PCサーバーのみならず、下図のようにアナログ/デジタル映像入力インターフェースを持つコンパクトなボードへの組込ソフトウェアとしての形態も可能です。